歯周病の基礎知識
20代ですでに70%近くが歯周病
日本では、20代の70%近くが歯周病だと言われています。
中でも、喫煙者・妊婦・糖尿病の方は歯周病になりやすく注意が必要です。
気づかないうちに悪化する
歯周病は年齢とともに悪化するため、サイレントディジーズと言われます。
歯周病の原因は、歯周病菌。
歯周病の直接的な原因は、歯周病菌です。
歯周病の末路は、歯の喪失
初期の歯周病は歯周ポケットが深くなって進行していきますが、やがて歯茎が腫れ、歯がグラグラし、歯を支える骨が溶け、やがては歯を喪失することになります。
日本で歯を失う原因の1位は歯周病です。(42%:平成17年8020推進財団調査)
歯周病の危険性
全身の病気を引き起こします
歯周病は、肥満・高血糖・動脈硬化・糖尿病・心臓の病気をはじめ、全身に影響することがわかっています。
また認知症や肺炎とも関係性が科学的に証明されています。
女性と歯周病
妊婦さんが歯周病になると、胎児の低体重や早産に影響がでる可能性が高まります。また更年期は、骨粗しょう症の女性が歯周病になると歯槽骨が急速にやせてしまうため注意が必要です。
歯周病予防の第一は、歯垢・歯石の除去
歯肉溝のクリーニングが歯周病予防の肝
歯周病の原因は、酸素を嫌う嫌気性の細菌のため、酸素に触れづらいところで繁殖しようとします。歯と歯ぐきの間(歯肉溝といいます)に歯垢(しこう)や歯石が溜まっていると、そこに繁殖していき、歯周ポケットが進行します。
歯肉溝につく歯垢と歯石
歯垢(ブラッシングで除去可能)
歯垢は歯の表面に着く、白いネバネバした物質です。この状態であれば、日頃の歯ブラシやフロスで除去することができます。
歯石(ブラッシングで除去不可能)
ブラッシングが不十分で残ってしまった歯垢は、時間がたつとともに歯石となります。歯石とは、お口の中のカルシウムが結合して、歯の表面に固い結晶を作ったものです。歯石は歯ブラシやフロスでの除去が難しく、プロフェッショナルケアで除去することがお勧めです。
歯肉溝の効果的なクリーニング方法
毎日のセルフケア
- 毎食後の歯ブラシが大事です。特に就寝時は歯周病菌が活発になりやすいため、必ず磨きましょう。
- 歯肉溝や歯周ポケットを磨くには、歯ブラシの毛足が長く柔らかいものを選び、バス法で磨きましょう。
- 歯周病菌が繁殖する歯と歯ぐきの間は、磨き残しが多い部分です。歯ブラシの当て方に気を付け、歯間ブラシやデンタルフロス、ワンタフトブラシなどを併用してきれいにしましょう。
- いったん、歯石になってしまうと、ホームケアで除去するのは難しいです。歯垢の段階で日々キレイにすることが大事になります。
3か月~6か月に1回のプロフェッショナルケア
- 磨き残して歯石ができてしまった部分に関しては、プロフェッショナルケアで清掃しましょう。
- プロフェッショナルケアは、定期健診や歯周病の治療で受けることが可能です。
- 歯科衛生士が、超音波洗浄やPMTCなどで歯石を取り除き、歯の表面をクリーニングします。
歯周病のリスクを高める生活習慣とは
喫煙
喫煙者は非喫煙者と比べて歯周病になるリスクが4倍以上になります。ヘビースモーカーほどリスクが上がります。
喫煙習慣がある人は、歯肉の腫れや出血が抑えられるため、歯周病が進行していてもわかりづらく、発覚時には重症化していることもあります。
- 歯にヤニが付着し、歯周病菌が繁殖しやすい
- 特に上下前歯部と上顎の奥歯の裏側の歯周ポケットが深くなりやすい
- 喫煙すると血管が収縮し、正常な免疫反応を抑制してしまう
などの原因から、歯周病が重症化しやすく、治療をしても効果が出づらいです。
禁煙することで、数週間で免疫反応が正常化するため、歯周病治療の効果が出やすくなります。
生活習慣の改善
歯周病の直接的な原因は歯周病菌ですが、それを活発にするのは悪い生活習慣です。
- 健康状態が悪い
- ストレスをためやすい
- 食後に歯を磨かない
- よく噛まずに食べる
などの習慣は、注意が必要です。