虫歯治療、審美治療、メタルフリーなど様々な目的で詰め物・かぶせ物を使用しています。歯科材料はこの四半世紀でも技術が目ざましく進歩し
- 審美性(歯の透明感)を大事にする方
- 長持ちすることを大事にする方
- 強い咬合力に耐える歯を求める方
- 経済的なことを求める方
- 身体への負担を気にする方
など、患者さんによりご希望もさまざまです。ここでは、当クリニックで取り扱っている歯科材料を簡単に紹介します。
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審美性 | メタルフリー | ひとこと特徴 | |||
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保険診療 | プラスチック | プラスチック(CR) | ★ | ◎ | 保険適応 |
金属 | パラジウム合金(いわゆる銀歯) | 保険適応 | |||
自費診療 | オールセラミック | ジルコニア×オールセラミッククラウン | ★★★ | ◎ | 審美と強度 |
ジルコニア | ジルコニア | ★★ | ◎ | 強度 | |
セラミック | イーマックス | ★★★ | ◎ | 柔軟性 | |
エンプレス | ★★ | ◎ | 経済的 | ||
ラミネートべニア | ★★★ | ◎ | 審美 | ||
ハイブリッドセラミック | ハイブリッドセラミック | ★★ | ◎ | 柔軟性 経済的 |
|
セラミック×金属 | メタルボンド×オールセラミッククラウン | ★★ | 強度 | ||
金属 | 金歯 | 柔軟性 |
では、まずは保険診療で使われている歯科材料から紹介していきましょう。保険では、一般的に小さな詰め物には白いプラスチック、大きな詰め物やかぶせ物にはパラジウム合金を使います。
当院で取り扱う歯科材料~保険適用編~
プラスチック(CR)
CRとは、コンポジットレジンの略で、いわゆるプラスチックです。CRという呼び名は昔からありますが、最近のCRは進化していて、粉末が非常に細かくなり、機能的にも審美的にも進歩しています。
CRのメリット
- 色が白いため、審美的にお口になじみます。
- 1日で治療が完結します。
- 保険適用
- メタルフリー
CRのデメリット
- 強度が低いです。
- 長期間経つと欠損しやすくなります。
- 長期間経つと変色・摩耗します。
- 硬い食べ物は控えてください。
- 奥歯やかぶせ物には強度上の問題から使用できません。
パラジウム合金(いわゆる銀歯)
パラジウム合金とは、保険適用で使用される金属で、世間では銀歯と言われています。
パラジウム合金のメリット
- 強度が高く、かぶせ物にも使える。
- 保険適用
パラジウム合金のデメリット
- ある程度時間が経つと、合着部分から虫歯になりやすい。
- 金属なので審美的に目立ってしまう。
- 歯茎が黒く変化してしまう(メタルタトゥー)。
- 金属アレルギー体質には向いていない。
現在もパラジウム合金が使われているのは先進国では日本だけです。それだけ歯と銀歯の合着部分から虫歯になりやすいリスクが大きいと言えます。平均7年で再治療しているというデータもあります。
保険適用の歯科材料では、耐久性や再治療への年数で満足いかないということで、自費の歯科材料を選ぶ方が増えています。では、自費の歯科材料はどのように優れていて、お値段はどれくらいするのでしょうか。
当院で取り扱う歯科材料~自費診療編~
自費の歯科材料は、耐久性や再治療率、さらに審美面などで優れたものも出てきていますが、いずれも永久に保証できるわけではありません。お口の中の様子や咬合力を総合的に診断して、「適材適所」の歯科材料を選ぶことが何よりも大切です。
セラミック系の詰め物・かぶせ物(メタルフリー)
セラミックは色が白くて強度が高いため、金属に代わる歯の詰め物・かぶせ物として広く使われています。セラミックにも陶器、ガラス系、人工ダイヤのジルコニアなど様々な歯科材料が出てきており、それぞれメリット・デメリットがあります。
ジルコニア×オールセラミッククラウン ※かぶせ物のみ
ジルコニア(人工ダイヤ)の上にオールセラミック(陶器100%)を焼き付けたかぶせ物です。ジルコニアもセラミックの一種ですが、人工ダイヤと呼ばれるように強度が高いのが特徴です。
審美的に非常に優れているため、前歯にも適している素材です。
ジルコニア×オールセラミッククラウンのメリット
- ジルコニアを土台使うため、強度と耐久性が高いです。
- 透明感が高い白色のため、自然歯に近い仕上がりになります。
- 表面的な汚れや色は着きづらいです。
- 長期間経っても変色しづらいです。
- メタルフリー
ジルコニア×オールセラミッククラウンのデメリット
- 硬度が非常に高いため、咬み合わせが強い場合は、反対側の歯に影響が出る場合があります。
料金表
詰め物(小) | × |
---|---|
詰め物(大) | × |
かぶせ物 | ¥130,000 ¥160,000 |
ジルコニア
ジルコニアは、セラミックの一種で、いわゆる人工ダイヤです。
強度が非常に高く、奥歯の詰め物・かぶせ物に向いています。最近のジルコニアは、以前よりも透明度が高まってきています。
ジルコニアのメリット
- 強度や耐久性に非常に優れている
- 白い色でお口になじみやすい
- メタルフリー
ジルコニアのデメリット
- オールセラミックと比べると、透明度に劣ります。
- 強度は強いですが、まれに割れる場合があります。
- 硬度が非常に高いため、咬み合わせが強い場合は、反対側の歯に影響が出る場合があります。
料金表
詰め物 | ¥100,000 |
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かぶせ物 | ¥110,000 |
イーマックス(e-max)
イーマックス(e-max)は、セラミックの一種で、ガラス系の成分でできています。
セラミックで十分な強度がありつつも、自然歯に近い強度のため、今注目を浴びています。イーマックスはエンプレス・マックスという意味で、エンプレスに代わる新しい歯科材料です。
イーマックスのメリット
- 透明度の高い白色(透明度はジルコニアよりも高いです)
- 強度が自然歯に近い(硬すぎない)ため、食いしばりが強くても自分の歯を痛めにくいです。
- 1dayの治療が可能です。
- 長期間経っても変色しづらいです。
- メタルフリー
イーマックスのデメリット
- 特にありません
料金表
詰め物 | ¥90,000 |
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かぶせ物 | ¥100,000 |
エンプレス
エンプレスは世界で広く使われているセラミックです。
エンプレスのメリット
- ジルコニアよりも透明感が高い白色
- 強度が自然歯に近い(硬すぎない)ため、食いしばりが強くても自分の歯を痛めにくいです。
- 長期間経っても変色しづらいです。
- メタルフリー
エンプレスのデメリット
- イーマックスと比べると、耐久性がわずかに劣ります。
料金表
詰め物 | ¥60,000 |
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かぶせ物 | ¥70,000 |
ラミネートべニア
ラミネートべニアは、少し特殊で、虫歯治療では使われません。
ラミネートべニアとは、歯の色や形を審美的に整えることを目的として、歯のエナメル質を削り、オールセラミックのチップを貼り付けるものです。
ホワイトニングよりも色の持続時間が長く、歯の形態を簡単に変更できるのが特徴です。
ラミネートべニアのメリット
- 数日で歯を審美的に整えることができます。
- 簡単な歯並びなら、キレイにできます。
ラミネートべニアのデメリット
- 健康な歯を削りますので、それなりのデメリットがあります。
料金表
ラミネートべニア | ¥120,000 |
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ハイブリッドセラミック
セラミック(陶器の素材)にプラスチックの粒子が細かいもの(ナノフィラー)を混ぜたものです。
ハイブリッドセラミックのメリット
- CR(保険適用のプラスチック)よりも強度が高いです。
- CRよりも変色しづらいです。
- 硬すぎないため、反対側の歯に影響しづらいです。
- メタルフリー
ハイブリッドセラミックのデメリット
- オールセラミックと比べると、強度も審美面も劣ります。
- 長期間たつと、変色します。
料金表
詰め物 | ¥60,000 |
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かぶせ物 | ¥70,000 |
金属を使用した詰め物・かぶせ物
メタルボンド×オールセラミッククラウン※かぶせ物のみ
金属の上にオールセラミック(陶器100%)を焼き付けたかぶせ物です。以前は主流として使われたクラウンですが、よりよい素材が出てきているのも確かです。
メタルボンド×オールセラミッククラウンのメリット
- 金属を土台に使うため、強度と耐久性が高いです。
- オールセラミックを使用するため、表面的な汚れや色は着きづらいです。
- 金属が中に入っているため、裏側から金属が見えます。
メタルボンド×オールセラミッククラウンのデメリット
- 加齢で歯茎が痩せると金属部分が見える場合があります。
- 時間が経つと、歯茎が黒っぽくなります。(メタルタトゥー)
- 金属アレルギーNGです。
料金表
詰め物 | × |
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かぶせ物 | ¥110,000 |
金歯(20金)
金は、金属でありながら、イオン化しづらいため、金属アレルギーやメタルタトゥーの影響がほとんどない材質です。見た目が金色になりますので審美的にセラミックより劣るものの、歯への適合性が高く咬合力がとても強い方にお勧めです。歯科関係者によく選ばれています。
金歯のメリット
- 身体に優しい素材です
- 硬さと粘りが適度にあり、長持ちする素材です。
- 自然歯に近い硬さのため、咬み合わせの歯に影響しづらいです。
- 粘りがある素材のため、割れるリスクがありません。
金歯のデメリット
- 歯の見た目が金色になります。
料金表
20金 | |
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詰め物 | ¥100,000 |
かぶせ物 | ¥110,000 |
ベストなチョイスは、その人とタイミングによって違う
保険・自費の歯科材料を紹介しましたが、歯科材料の選び方は患者さんによってさまざまですし、タイミングによっても異なるかと思います。
なるべく費用をかけたくない時は、保険適用の歯科材料を選ぶ方もいます。
経済的に余裕がある時に、メタルフリーにする(銀歯をセラミックに替えていく)方も増えています。
当クリニックでは、患者さんお一人おひとりがその時のご都合にあった選択をすることが一番だと考えています。どの歯科材料を選ぶか迷う方は、担当の歯科医師までお気軽にご相談ください。
おまけ「あなたの家族ならどうしますか?」
患者さんから、「もしあなたの家族ならどうしますか?」と聞かれることがあります。
歯科医療関係者が、保険の銀歯を選ぶことは、実はほとんどありません。保険適用を選ぶことで
- 再治療を繰り返すことで、歯の寿命が縮んでしまう
- 再治療分も考えたら、時間的・経済的コストが高い
ということがわかっているからです。
また、歯科医療関係者の中では、お口の健康が全身の健康と密接にかかわっていることをよく知っています。健康寿命への意識が高まっている今、歯を大切にする時間やコストをかけるのは意外と「お得」なのかもしれません。