当院が保存的診療を
基本とする理由
当院では、第一に、患者さんの満足。第二に、患者さんのお口の健康寿命を考えています。その上で、当院の基本方針は保存的診療です。保存というのは、「歯を残す」ということです。つまり、
- 歯をなるべく抜かない
- 歯の神経をなるべく抜かない
ということです。
少し将来のお話になるかもしれませんが、お口の健康寿命を考える上でご自身の歯を残すことは重要な課題です。歯の本数が少なくなってしまうと、「美味しい」「元気だ」と感じることが減ってしまうというデータもあります。
年齢と共に失われやすい歯
40歳までに歯を失なう人は非常に少ないですが、40代以降年齢と共に歯を失なう本数は増え、70代後半には平均約18本になる傾向があります。
おいしく食べるには、
何本の歯が必要?
おいしく食べるには、「歯」は欠かせないもの。歯でしっかり噛むことで、唾液の分泌、胃腸での消化・吸収がスムーズに働きます。
18~28歯 | たくあん、フランスパン、酢ダコ、堅焼きせんべい、スルメイカ |
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6~17歯 | せんべい、れんこん、かまぼこ、おこわ、きんぴらごぼう、豚肉(薄切り) |
0~5歯 | ナスの煮付け、バナナ、うどん |
厚生労働省:補油準的な検診・保健指導プログラム(別冊)保健指導における学習教材集「歯の数と食べられるものの関係」より
強い歯を保つためには
健康的な生活を送るために食事は大切ですし、そのためには将来的に歯を失わないことが重要となります。では強い歯を保つために必要なことは何か。それが「歯の神経を保存」することです。
歯の神経とは~歯髄の役割~
一般に「歯の神経」といわれるものは、正しくは「歯髄(しずい)」といいます。歯髄は、神経と血管の集合体です。
歯髄の役割
- 歯に栄養を運ぶ
- 歯に伝わる刺激を脳に伝える
- 異変を察知して、免疫を活性化
- 外部の刺激から守るために第二象牙質を形成
つまり、歯髄には歯の栄養を運んだり、異変があった際は防御したりすることで、歯を強く保つ働きがあります。
神経を抜くと、歯が弱くなる
歯の神経を抜いてしまうと
- 異変があっても、何も感じない
- 異変があっても、防御反応が働かない
- 歯が比較的割れやすくなる
などの変化が起きます。
当院の虫歯治療・歯周病治療
できるだけ神経を抜かない
虫歯が進行して歯の神経が炎症して痛みを感じることがあります。
そのまま放置してしまうと、隣の歯まで炎症してしまうという最悪の事態が起きます。そのため、従来は歯の神経を抜く治療が主流でした。
しかし、今は神経保存療法といって、再生を促すことが可能です。ただし通院を続ける必要があり、途中で通院をやめてしまう患者さんにはお勧めできません。
当院では、治療の選択肢が複数ある場合は、患者さんにお話しして、ご自身で選んでもらっています。
できるだけ削らない
小さな虫歯の段階でも、できるだけ削らないような治療法をとっています。削らない場合は、お薬を塗って経過をみます。削らなければいけない場合も、削る量を最小限に留めるようにしています。
神経を抜かないためには、虫歯をなくしたり、早期発見したりすることが大事です。
もし削った場合は、
ご自身のお口に合う詰め物・かぶせ物を
近年、多くの医療技術が進歩しましたが、中でも目ざましい進化をしたのが歯科材料です。
歯科材料とは、虫歯などで削ったところにする詰め物やかぶせ物などです。
従来では虫歯になる→削って詰め物→また虫歯になる→削ってかぶせ物→また虫歯になる→神経を抜いてかぶせ物→また虫歯になる→歯を抜くというプロセスが大多数で、一度虫歯治療を始めると、数年後に歯を再治療することが当然でした。
しかし、詰め物・かぶせ物の技術が進歩・普及してからは、再治療が必要になる頻度が格段に減りました。まだまだ自費診療扱いとなり高額なものもありますが将来的なお口の健康を考えて、選択する方が増えています。
虫歯と歯周病の原因治療
虫歯と歯周病になったら、その進行を食い止めることも大切ですが、虫歯や歯周病の原因がなくならなければ、他の歯が虫歯や歯周病になる可能性が高いです。
当院では虫歯となる原因、歯周病となる原因に着目し、原因治療にも力をいれています。